EV優遇の現状 2023年5月

コペンハーゲン市のEV優遇の現状*2023年5月時点

  • EV車、EVバイク及び水素車は、全ての市営地上パーキングを無料で利用できる。PHVプラグ・イン・ハイブリッドはこれに当てはまらない。
  • 市の居住者用パーキングスペースを利用する場合の料金は、ガソリン車は燃費別に年間約2万6千円から11万円。EV及び水素車は一律約4千3百円。

*該当する車であるか否かは、諸管轄がナンバープレートデータベースで識別可能となっているので、違反には車の所有者に罰金が科せられる。これはその他の違反も同じである。

国のEV優遇*2023年5月時点

  • ガソリン車の取得税は、最大150%であるが、2020年のEVはこれが0%であった。2022年以降のEV及びPHVは価格に応じた段階的な課税制度で最大40%となっている。ガソリン車と比較するとかなりの低率と言えるが、2025年以降は現在よりも低い税率が適用される予定。
  • 年間税は、ガソリン車の約3分の1程度に抑えられている。

EVが増えない最大の理由は、ガソリン車との価格差である。デンマークの自動車税は高く消費税も25%と高いため、ガソリン車も同レベルの日本の市場価格と比較すると倍近い。EVは同程度の仕様でもガソリン車より200万円ぐらい高くなってしまう。

しかし、ガソリンの高騰などの物価高に対する安価な深夜電力などを考慮すると、EVのほうが結果的には安くなる、と国内最大の自動車所有者のための組織であるFDM(United Danish Motorists)は言っている。

価格差以外に、充電インフラや充電時間、航続距離に対する不安や、EVに対する認知度がまだまだ不足していることもその要因として挙げられる。

あとがき

EVの認知度で、デンマークと同じくEVの認知度が高い国は筆頭にノルウェー、そしてスウェーデン、オランダ、ドイツと北ヨーロッパ。テスラのUSAは挙げるまでもないか。

国のEV優遇の現状*2023年5月時点

https://skat.dk/data.aspx?oid=2234529

ゼロ・エミッション・CITY

2023年5月4日、コペンハーゲン市議会において、2030年までに首都からガソリン車やディーゼル車などの化石燃料自動車をなくすよう取り組むことが合意された。

実現には様々な課題がある。

7年以内に充電スタンドを整備することが可能か否か、近隣市との関係や社会的なバランスが取れるか否か、更には国会からの支援も必要だ。

2021年時点では、自治体が内燃機関を持たない車しか走れない「ゼロ・エミッション・ゾーン」を導入することが可能と合意されているが、法整備には至っていない。まずは一部エリアのみのゾーン形式から始めるのではなく、コペンハーゲン市は一気に市全体へと計画するのか、乗用車の販売にも更に大きな影響が出ると思われる。

というのも既にEVの需要は高く、車庫を持たないアパート住民もEVを購入する人が増え、ディーゼル車では肩身が狭い、と嘆く人も出てきている。また、若者の多くは、いずれガソリン車は消える、と予測している。

確かに、ガソリン車が少ない街の空気はとてもきれいだし、騒音もない。イケてるコペンハーゲンが世界初のEVの街になるのか、どうか。

市内を抜ける、アンデルセン通り。自転車も多い。

ゼロ・エミッションは、大気汚染物質を排出しないことを指し、具体的には二酸化炭素や窒素酸化物、粒子状物質を一切出さないことで、地球温暖化の原因の一つであると知られている、その解決策の一つである。

実現には、再生可能エネルギーの利用、省エネの推進、クリーンテクノロジーの開発などの取り組みが不可欠とされる。

デンマークは今では風力発電のパイオニアとして世界にその名前が知られているが、90年代でも風力発電は非現実的だと言っていた科学者も知識人も多かったのだ。しかし、それが現実となった今、デンマークの首都コペンハーゲンは、もしかすると2030年からガソリン車は消えるのかも知れない。

コペンハーゲン市のEV優遇の現状*2023年5月時点

  • EV、Eバイク及び水素車は、全ての市営地上パーキングを無料で利用できる。PHVプラグ・イン・ハイブリッドはこれに当てはまらない。
  • 市の居住者用パーキングスペースを利用する場合の料金は、ガソリン車は燃費別に年間約2万6千円から11万円。EV及び水素車は一律約4千3百円。

*該当する車であるか否かは、諸管轄がナンバープレートデータベースで識別可能となっているので、違反には車の所有者に罰金が科せられる。これはその他の違反も同じである。

国のEV優遇*2023年5月時点

  • ガソリン車の取得税は、最大150%であるが、2020年までのEVはこれが0%であった。以降のEV及びPHVは価格に応じた段階的な課税制度で現在は最大40%となっている。ガソリン車と比較するとかなりの低率と言えるが、2025年以降は現在よりも低い税率が適用される予定。
  • 年間税は、ガソリン車の約3分の1程度に抑えられている。

EVが増えない最大の理由

ガソリン車との価格差である。デンマークの自動車税は高く消費税も25%と高いため、ガソリン車も同レベルの日本の市場価格と比較すると倍近い。EVは同程度の仕様でもガソリン車より200万円ぐらい高くなってしまう。

しかし、ガソリンの高騰などの物価高に比較し安価な深夜電力などを考慮すると、EVのほうが長期的には安くなる、と国内最大の自動車所有者のための組織であるFDM(United Danish Motorists)は言う。

価格差以外に、充電インフラや充電時間、航続距離に対する不安や、EVに対する認知度がまだまだ不足していることもその要因として挙げられる。

あとがき

EVの認知度で、デンマークと同じくEVの認知度が高い国は筆頭にノルウェー、そしてスウェーデン、オランダ、ドイツと北ヨーロッパ。テスラのUSAは挙げるまでもないか。

高速充電ステーション

2021年9月5日

新しくできた街の高速充電ステーションを訪ねてきたので、それをまとめようと思ったところ、カテゴリーをどこにしようか迷ってしまいました。デンマークは、何をするにしてもデザインを避けては通れないし環境問題のパイオニアなので、それらにまたがることが多い、と改めて思った次第です。

デンマークの現在のEV率は0,8%。2030年までにこれを37%まで引き上げる目標があり、あちらこちらでインフラの設備が進んでいます。今、電気エネルギーに石油は使われていません。風力発電のデンマークと世界でも認識されていることからもお判りいただけるので、さほど驚くことではないかと思います。ですが、石油はデンマークの全エネルギー消費の40%にもなります。これがガソリン車に使われています。

地方へいくと、移動距離や移動した先での給電確保の問題があってかハイブリッド車はよく見ますが、ガソリン車が圧倒的です。都市部は人口密度も高く、通勤もそう長い距離ではないので、EV率は都市部が高いです。住宅街の公共パーキングエリアにも続々設置が進んでいます。

17時から翌朝8時までは駐車できるので、夜間充電が可能です。日中は3時間まで。住宅街の無料公共駐車場。
集合住宅に住んでいてもEVオーナーになるのは難しくありません。企業で充電スタンドを設置しているところもあるし、街にもあるし、です。

余談ですが、日本では石炭火力発電が原子力の代わりに動いているようで、なかなか厳しいですね。デンマーク、石炭とコークスは、1990年は全エネルギーの34%を占めていましたが、現在は5%です。

さて、これが高速充電ステーションです。
木造です。環境に配慮しているんだ、とのメッセージですね。新聞の記事には、未来は来た!次はワカメか豆腐か、、って、笑えました。

場所は、コペンハーゲン市隣接の市の市庁舎裏の駐車場です。2-30台分を削って作られました。
ベンチは公共エリアでよく見かける、コペンハーゲンベンチ。

お支払いは、スマホのアプリでキャッシュレス。
天井にカメラ。トラブルがあったときに確認できる。防犯にも使える。
昔懐かしい、ペトロの匂いもせず、油のシミもなくきれい。
シンプルで美しいデザイン。デンマークが得意とするところです。ケーブルも、通常一般車は自分のものを使用しますが、ケーブル備え付け。

ここは、いくつかあるうちのClever という会社の充電ステーションですが、2009年からEV促進に参加してきており、来年は500カ所の充電ステーションを作る計画があります。エネルギー共同体やファイバーネット企業が背後にいます。北欧全体に広げていこう、北欧から世界へ発信していこう、という狙いです。かっこよく、実用的で持続可能なデザインを、がモットーのCobeCobeの高速充電ステーション。

一般車用充電ステーションの後ろには、タクシー専用があります。ケーブル備え付け。30分以内でどいてね、の標識。少し前までは、とりあえず多く設置する、が最優先だった。
プラグ、車両側の差し込みの形が違うので、三種類。
大きな市庁舎の正面と広場。コペンハーゲンのお隣の市。
大きな市庁舎でしょう? 戦争で工期が遅れましたが、無事1953年に完成です。
人口約10万人の市ですが、動物園があったりと緑豊かで、おしゃれなカフェが多く、若い人にも人気の市です。
広場の前の交差点。

家で充電 ホンダe 電費(でんぴ)

 ガソリンスタンドに行かなくてよい、この心地よさ。タンクの残りを気にしながら、家路の途中でガソリンスタンドに寄るか、明日にするか、、そんなことを考える必要がない、この解放感。強いて言うならば、屋根付きのガレージならお天気を気にせずに充電が可能だった、ということ。家屋が築100年で、ガレージはあるのだが、当時の車用に作られているので長さは問題ないが、幅が狭すぎて入らない。それ以前に、建物の横を通るそのスペースが狭いのだ。ならば停めているところに屋根をかければ良いということになるが、全体のバランスを考えると、屋根はかけないほうがデンマーク的美しさ、ということで。。

 家充電だと、料金は公共高速充電スタンドの半額以下で、電費はガソリン車の半額以下。(ねんぴ(燃費)はでんぴ(電費)と呼ぶとは、世の中も変わったものだ。)デンマークは場所を探せば、無料充電できるところがある。どことは敢えて書かないけれど。これを利用すれば無料になるが、そこまでせずとも家充電で、夜間寝ている間に満タン(満バツ?)。可能走行距離は200キロ前後。まだ冬季に入っていないので、氷点下10度程度でどのくらい消費するのかわからないが、ステアリングも暖かになるし、スマホから事前にモーターを稼働させて車内温度を上げることができるので、若干は電費も落ちると予測される。

 EUの電費は、100㎞走行に必要な電力量を使っている。マイホンダeは、17,8kWh/100km。5,6km/kWhであってるか?

 楽しすぎてあちこち出かけているので、電気料金が高くなること間違いなし。なので、洗濯機にはめいっぱい衣服を詰め込んで回す回数を減らすとか、電気はこまめに消すとか、電気を大事に使う習慣も身に付きつつ(もともと無駄はしないようにしているが)。

 https://youtu.be/ewh_0KpFe4s

テスラがどいてくれる ホンダe

短距離、あちこち走り回っているが、今更ながらテスラの多いことに気づく。当初は珍しかったし、デザインもおしゃれでしかも大きいので、ブイブイ走っているイメージで手が届かない妬み(笑)から、重たい車で何がエコかと思っていた。ところが、最近、、多い、本当に多い。流行に関心のある人にとっては、ステイタスなのかもしれない。高価だし、テスラ=EVだからか。

各メーカー、注意してみれば結構な数のEVが走っている。だが、ガソリン車と外見が変わらないので気が付かないのである。テスラではないが、他社のEVを購入している人は、環境問題により関心があって、見た目より中身なのかもしれない。

ホンダeは、テスラでもなくその他のEVでもない既存のグループとは全く違うのだ。プロトタイプ、外装は余計なものが一切ないといえるほどシンプルな車だ。走りについてはまた書くが、走りと外見は一致しない、およそかわいらしさとは程遠い走りなのである。

サイドミラーはないし、 お尻が短いのでコンパクトに見えるのだ。 実は自分も実際に他の車の横に駐車して、小さくない、と実感したのだ。小さく見えるが意外に大きい普通サイズの乗用車。丸目のヘッドライト。クルマ好きはぎょっとするらしい。だから、、テスラが道を譲ってくれる。少々あとをつけて観察してくれて、信号で止まれば頭ひとつ下がったところから、内装を覗いてくれる。昨日はパトロールカーがしばらく後ろをついてきていたと思ったら、サイレンを鳴らしたので道を譲ったら前に出てきた、と思ったら、サイレンを消して左折していった(笑)

この赤い色はデザインにマッチのテスラ。こういうのが「どいてくれる」くれるのである。

Honda e

10月はじめ、待ちに待ったホンダのEVが来た。予約をしたのは7月のはじめ。3か月待ちであった。今、10月に予約すると来年1月になるらしい。日本より早く発売になった理由はなんだったか、、環境問題に関心が高いEUで先行することで、ブランド価値やステータスが上がるのかも知れぬ。

日本の匂いがする。明らかにヨーロッパの新車とは違う。埼玉県寄居の匂いか。。

EV その1

2030年には100万台のEV(電気自動車)が街に溢れることを目標に掲げているデンマークでは様々な問題に直面している。

現在、一般乗用車※1でガソリン車のナンバー取得税は車輌価格の150%前後。数年前までは全ての乗用車に180%が課せられていた。当然これに付加価値税(消費税)25%が上乗せされている。

EVのナンバー取得税は、2016年の20%から100%に増加したが、車輌価格に対する控除があり、その一例に400,000クローナ(2020年9月での日本円換算約650万円)未満であればゼロパーセントで、付加価値税の25%だけとなる。バッテリーの製造問題とCOVID-19の影響でEVの生産に支障が生じていたが、それらも解消されつつあってか、続々と各メーカーから発売が予定されている。

テスラが発売された2015年のナンバー取得税は、当時の政権が政策として環境問題を前面に押し出したことで免除されたが、2016年にはこれが20%になると発表され、駆け込み取得で2015年は4310台。この数字を追い越した2019年のEV売り上げ台数は5524台で、2018年の4倍に増加。環境問題と政治に大きな関心を持つ国民にとって、ガソリン車かEVのどちらにするかは悩みどころである。

環境問題を優先すれば税収が激減する。高福祉を維持する為の財源をどうするのか。現政権は労働組合を母体とし、高所得者と企業への増税を掲げて票を獲得してきているが、労働者も車好きなのである。また現政権は中道左派の社会民主主義であるが、更に左派の党との連立で政権を維持している背景がある。更に左派とは、、社会主義、環境主義、共産党から分かれた社会主義などが混在する。悩ましい判断を迫られている。

ガソリン車同様の税金をかけると、EVはガソリン車よりまだ高価なため振興の妨げになる。2021年からの乗用車のナンバー取得税をどうするか、大きな議論が始まった。性能の良い小型車が発売されることも手伝って、駆け込み取得が増えるであろう。

EVは環境問題にどう影響するのか?CO2排出規制で社会は大きな損害を受けるのではないか? インフラはどうするのか、アパート住まいのEV所有者の充電スタンド設置など、税問題意外にも課題は多い。

デンマークの取り組みが世界の参考になれば、と思う。 2020年9月8日

※1 乗用車、商用車、乗用商用車、、複雑なカテゴリー別の税システムが存在する。

Honda e

2020年7月の始め、ニュースにHondaのEVがヨーロッパで先行発売されると載っていた。EVかあ、というのが正直な気持ち。テスラがごろごろブイブイ走っているし、車は去年新車に替えたばかり。。でも、距離を取る生活が定着してしまったので、電車やバスのお世話にはなりたくない狼。久しぶりにメットを被る生活か、とイタリアのVespe購入を考えていた矢先のこと。ホンダのEVに試乗した。